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『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』『ドント・ブリーズ』『ヒトラーの忘れもの』『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』『この世界の片隅に』 [映画(仮)]

マダム・フローレンス! 夢見るふたり
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FLORENCE FOSTER JENKINS
▼NYオペラの殿堂カーネギーホールで伝説の幕が上がる―感動の実話!
●エンドロール終わるまで周りのお客さん残ってた度:人人ノ
●観て思ったこととか。
自分でも惹かれた理由がわからないがなぜか気になっていたので一応鑑賞。一言でまとめるならば、変な話だった。最もなのが、この夫婦の関係性がよくわからないこと。最初見たとき、夫が本当は医者で、ボケた婦人の治療的なのの一環でその亭主を演じ、婦人が寝たら本妻と住む自分の家に帰る生活をしているのかなと思ったらそうではなく本当の夫婦だった。それにしてもこの夫のこの妻に対する愛情がどのレベルなのかがよくわからなかった。もう冷めきってそうに見えたけど。あと全般に言えるのは、コメディなのか何なのかよくわからなくて、笑うべきなのか何なのかも掴めない。音痴音痴って言ってるけど、あんまし音痴にも聞こえないというか、確かに高音外してるのは大いに音痴なんだけれど、まあ笑いはするんだけれども、当時の客は婦人の病気を知らないから単にその音痴っぷりを笑ってるんだけど、映画では最初から病気っていう設定を見せたうえで音痴ってるからそこを笑うべきなのかどうなのかってなるし、そこまで深く考えずに笑ってればよかったのだろうか。どうすればよかったのだろうか。てなわけで音程外した高音でかなり耳障りに感じる場面が多々。ホールでのコンサートのシーンも、前回は音痴を爆笑してたオンナが騒ぐ客を一喝して不覚にもちょっと感動したんだけど、その後やっぱ客は笑ってるし、どう見ればいいのかわからなかった。日本でこの映画作るとしたらマダムは黒木瞳で間違いないと思いました。素の歌唱力で十分演じられる。裏では夫が観客を買収したり酷評を書いた新聞を買い占めたりしてて豪快なカネの使い方だなぁと思ったんだけど、もったいないなぁとも思う。ただこれで思ったけどある種ボケ気味の老人の不始末をカネで解決っていうのは高齢ドライバーの事故ラッシュのいまと重なる部分もあって、富豪ならなんとかなるということの表れだなとも思うわけで嫌な話だなと思いました。しかもボケ気味だけど行動が活発だし厄介だなぁと。いろいろまとめるとだからこれは、映画にする話か?


ドント・ブリーズ
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DON’T BREATHE
▼この家から生きて脱出したければ、息をするな…
●エンドロール終わるまで周りのお客さん残ってた度:人人ノ
●観て思ったこととか。
予告未見。序盤は怖かった。来るかも来るかもと身構えて伏し目がちでスクリーンを見てましたさ、そら直視しないように白目でも見てましたさ。が、それは長続きせず、中盤以降は大して煽り文句にあるような怖さはなし。というか、さあ解決した!と、なっても、なにかが起こりそうな間、が、随所で見られるので、ああ、なんかあるんだな、と感じてしまう。そうすると予想通りなにかが起こる。そこらへんの見せ方がたぶんヘタなんだと思う。序盤が怖かったと書いたけど、そもそもが強盗3人組がバカ過ぎ。音立て過ぎだし、ちらっとあらすじを読んで予想していた感じだと、たぶんもうその音立て過ぎに老人が気づいてて侵入したらそこから阿鼻叫喚、強盗がことごとく返り討ちに遭うジェットコースター的痛快劇(自分ジェットコースターダメだけど)なのかと身構えてたら違うし。この老人、盲目だから聴覚とか嗅覚が研ぎ澄まされてるのかと思えば、大してそうではないし。肝心な場面で利くぐらい。老人だからか。しかも実はこの老人のほうが強盗よりも性質が悪くてキモかった。あれはないわ。このテの映画あまり見ないけど、大まかな展開は王道だと思います。最後まで。最後きっとそうだろうなと思ってたらそうだったから驚きもしなかった。女だけ助かるっていうのもそうだし、それに加えてこのヒロインは不幸設定だから助かるだろうなというのもあるし(指紋取られて捕まるだろっていうのはあるけど)。なにかと王道展開。こういう映画って敵を倒した後に「ざまぁ見やがれ」みたいな感じで立ちながらしばらく倒れてる様を見下ろしてるの多いけど、この映画もそうで、いい加減その結構長い間見るのやめたら?って思う。長い間見てるから相手ちゃんと死んでないんだわ、たぶん。そういう間なんだわ、あの間は。というか上映時間90分もないのに、結構長く感じたのは二転三転しまくるから。なんかもう、しつこい!って感じでちょっと呆れてある種ニヤけながら見てました。


ヒトラーの忘れもの
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LAND OF MINE
▼大人が残した理不尽な任務。少年たちが見つけるのは、憎しみか 明日への希望か―
●エンドロール終わるまで周りのお客さん残ってた度:人人人
●観て思ったこととか。
これも予告未見。原題を見て思ったけど邦題がダサい。『帰ってきたヒトラー』に便乗した感が否めない。というかこれは実話なのだそうで、となるとこういうのは映画化するとあっさりしてるんですよね、年月経って詳しく語れる語り部がいないから。というかいつ地雷の撤去に失敗して爆発するのかとか、いつ間違って踏んで爆発するのかとか、↑と同じ日に観たけどこっちのほうがよっぽど怖かった。終わり方としてはきれいにまとめてたけど、逃がしたからあの後で処分されたのかなぁとか考えると、どうもスッキリとしない。とはいえ、見応えありました。言葉少な。


アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
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EYE IN THE SKY
▼現代の戦争 衝撃の実態
●エンドロール終わるまで周りのお客さん残ってた度:人人人
●観て思ったこととか。
同じ題材を扱った映画だと去年の『ドローン・オブ・ウォー』があったけど、あれよりこっちのほうが格段に面白かった。責任のなすり合い連鎖の中盤あたり同じことの繰り返しでイライラさせられる展開は2コ↑のそれとも通じるイライラだったけれども、滑稽といえば滑稽で見るヒトによってはそこがコントっぽくて面白くも映るのかなとも思う。終始緊張感あって面白かったことは間違いないんだけど、最後の最後、あれはズルい。あの終わり方の映像にすることで、むしろ製作者のあざとさというか、偽善っぽいのが見えるというか、、最後の最後でなんか、え、そんなきれいな終わり方にするんだ、っていう残念さ。モヤモヤする。ただ、見応えはある。


a06.jpgこの世界の片隅に
▼昭和20年、広島・呉。わたしは ここで 生きている。
●エンドロール終わるまで周りのお客さん残ってた度:人人人人ノ
●観て思ったこととか。
この映画の予告編て一度も見かけたことがなかったけど、東京国際映画祭のCMで何度も見かけていて、タイトル的に気になってたタイトル買いの一本。聞けば内容は戦争モノのアニメということで大いに凹むかも、と思うと見ないかもなと思ってたけど、ようやく鑑賞。題材が題材なだけに悲しい話ではあるけれど、それだけではなくて、やっぱりいかにいまの日常が平和で普通が幸せということがわかるというか。穏やかな話ではないけれど、でも穏やかでもあるというか。絵が穏やかだったというのもあるけど。ストーリーは淡々と進んでくけど、、いちいち立ち止まって悲しんでたりする暇もなかったのだろうな、とにかく淡々と日々を過ごしていたのだろうなぁと、淡々とって表現は適当ではないかもしれないけれど、その淡々さは当時の実際の淡々さだったのかもなとか思う。本題と関係ないけど、釜の底からの視点は『君の名は。』を思い出す。IMAX版早く観たい。